(開催日)平成28年2月24日 (報告者)三木祥男(口腔・喉頭がん患者会)
1.開催状況
日時:平成28年2月24日 午後3時~4時
場所:大阪がん循環器病予防センター 研修室
出席委員:5名中1名(医師会担当)欠席
部会長:東山聖彦(成人病センター副院長)
2.議題
(1)がん患者会にかかるアンケート調査結果報告について
(2)第二期がん対策推進計画の取組み状況について
3.審議概要
1-1.「がん患者団体との連携の現状(アンケート調査)」 報告者:藤井委員
このアンケート調査は,相談支援センター相談員約330人からの回答に基づくもので,1月23日「地域相談支援フォーラムin近畿」で,大阪府がん診療連携協議会相談支援部会として報告されたものである。
結論として次のような報告があった。
(1)院内がん患者会・サロンに関して:
◆連携については,84%が必要と感じている
◆連携の阻害要因として,次の2点の指摘あり
①院内スタッフの理解や関心
②連携に関する時間がさけない
(2)院外がん患者会・サロンに関して:
◆連携については,94%が必要と感じている
◆思い付く団体の数は1~3団体が67%
◆物品販売・宗教との関係などが阻害要因として顕著に表れている
(3)今後の展開
◆(院内)については,相談支援部会として阻害要因について取り組む
◆(院外)については,患者団体について「知る」ことを課題に検討する
<委員からの意見>
◆(1)の①については,昨年度のアンケート調査でも,院内サロン開設に必要 な条件ということで「病院・医療者の理解」が取り上げられており,相談支援センターの「院内市民権」確立が必要との指摘があった。
◆昨年度のアンケート調査においても,相談支援センターが患者会・サロンにそそぐ力が少ない(7%)ことや,医師や医療者が患者に相談支援センターのことを周知させるレベルが低いこと,院内サロンがない病院が15%もあることなどの問題点
の指摘があった。
1-2.「患者会へのニーズ調査報告」 報告者 三木委員
昨年10月に成人病センター外来患者938名から得られたアンケート調査の結果について報告があった。
①患者会へ入会したい人の割合は27%,関心のある人を含めると41%であった。
②患者会の存在を知っていた人は24%で,知らなかった人が75%も居た
⇒癌研有明病院での入会希望者率は60%であり,その差が大きいのは,患者会の
知名度が低いためであることが判明した
③部位別でみると,患者数は少ないが入会希望率が高いのは脳腫瘍が1位で,人数の
多い乳がんが2位で,いずれも60%の人が希望している
③入会動機としては「がん体験者に会って情報を得たい」という理由が圧倒的に多い
④患者会のタイプは,病院が主催する疾患別と治療法別患者会が望まれていた
⑤その他で「切実に思うこと」として,「医療者からの助言」が圧倒的に多かった
2.27年度の取組み状況報告 報告者:事務局
◆医療情報提供に関する取組み
◆相談員に対する就労に関する研修:26年度から継続的にやっている
◆近畿6都道府県による地域相談支援フォーラムの開催
3.28年度の取組み案 報告者:事務局
◆医療情報提供及び就労に関する相談員の研修:27年度とほぼ同じ
◆企業向けパンフレット「仕事と治療の両立支援」の配布
◆がん患者団体協議会等との連携,協働
⇒案件については,異議もなく承認された。
<委員からの意見>
◆28年度は第二期の折り返しの時点なので,その位置づけを議論し,目標なども明確にすべきではないかとの提案あり⇒事務局から別途検討する旨の回答があった
4.委員としての感想
◆年1回の開催ということに違和感を覚えた。年2回の審議機会がないと,委員としての役割が果たせないと感じた。たとえば委員になって約1年が経過してから,1年前に前任者が決めたことの報告を受け,そして次年度の事務局案を審議するだけなので,委員としての意見や要望を提出するチャンスがない。今回も28年度は何を目標に,何に重点をおいてやるのかという方針の議論がなかったので,その点について,指摘だけはさせてもらった。
◆事務局は4年前に作成された計画方針に基づいて,各年度の実行計画を提案している。このスタイルでは,PDCAサイクルがうまく回らない。2年ごとに委員の顔ぶれが変わり,しかも状況も変わってくるからである。そうした変化をPDCAサイクルに取り込まないと意味がない。どの部会でも従来のスタイルでやられて来たが,もう少しPDCAサイクルを回しやすい形にしてほしいと思った。
◆28年度の取組みの中に,新たな取組みとして「がん患者団体協議会等との連携,協働」ということが盛り込まれた。我々としては有り難いことであり,大いに協力して行きたいと思う。協議会側から連携や協働のテーマを提案することが大切と思う。