議事 ○国指定がん診療連携拠点病院の新規指定に係る推薦について
【大阪府健康づくり課がん対策グループからの報告】
厚労省から毎年10月末日までに新規指定及び指定更新の推薦並びに現況報告の提出の通知
平成27年3月13日開催 国検討会審議結果
二次医療圏の中河内、八尾市立病院 ○ 大阪市、大阪警察病院 ×
□大阪警察病院の指定に係る相乗効果説明
・大阪府は8医療圏 そのうち1医療圏である大阪市は260万超の人口のため、4つの基本医療圏と考え、実質、11医療圏と認識。
・地域の患者の占める割合も高く、拠点病院がない西部をカバーする。
・がん疾患に幅広く対応し、地域医療の実績も高く、身近なところでの医療を
確保する。
・甲状腺がんの患者対応など、他の病院にはない強みがある。
・指定により、成人病センターや市立大学病院の患者集中を和らげ、早期に治療を始めることが可能となるため、大阪府の死亡率の改善を図ることができる。
・地域の中で救急等も受け入れており、地域に非常に根づいた病院であるため、地域連携の核にもなる。
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<検討会委員の評価>
これだけでは相乗効果が明確でなく、指定は認められない。
■大阪府のがん診療連携の推薦の考え方
・大阪市以外の二次医療圏については、各二次医療圏域で最大2ヶ所まで推薦
・大阪市二次医療圏については、特定機能病院や都道府県拠点病院を除き市内 全域で最大4ヶ所推薦。
■国指定病院の推薦に係る選考項目について
・6選考項目(院内がん登録数、悪性腫瘍手術件数、化学療法のべ患者数、放 射線治療のべ患者数、緩和ケアの年間新規診療症例数、相談支援件数)各項 目それぞれ10点満点とし、相対評価方式で総合評価。
・団体認定資格者は項目ごとに1点加算。
・地域性を考慮し、医療圏毎に相対評価を行う。このため、医療圏が異なれば、より実績が多い病院であっても合計点が低くなる可能性がある。
□大阪警察病院の指定による相乗効果について(病院からの資料)
○甲状腺がんは国際臨床試験に積極的に登録し高い評価を得る。(他の病院にない強み)
○大阪市がん2次医療圏の患者集中を和らげ、早期診断・治療が可能。その結果大阪府のがん死亡率の改善を図ることができる。また、オンコロジーエマージェンシーに対して夜間・休日の診療体制(ER・救命センター)を確立している当院の強みを生かし、大阪市2次医療圏のがん終末期患者の救急対応が緩和できる。
・年間新入院がん患者数4490人、そのうち1101人(25%)緊急入院。1101名の内、156名に緩和ケアチームが介入。(以下省略)
【部会長や各委員からの意見】
・大阪警察病院は地域医療支援病院であり、がん救急患者を積極的に受け入れて いる。新入院患者の割合が
圏域で1位(成人病C除く)である点や、悪性腫瘍手術件数も大学病院に次ぐ 件数、甲状腺がんは府内で
トップ。また、多くのがん患者が他の2次医療圏より流入するなどの特徴から、 部会長と各委員7人全員新規推薦に賛成。
・大阪警察病院は緩和ケアの依頼数が府内で他の国指定病院の3位に付けていて、そこに在宅のデータを加え、地域医療連携に力をいれる、などの特徴を強化して、優れている点を強調する。再申請に当たり、国審議検討会で承認を得るためにハイクオリティーで効果のあるプレゼンを願う。
・市内全域で最大4ヶ所推薦を行うとあるが、5番目と4番目が僅差の場合、今後このような問題をどうしていくのか。
・大阪警察病院の患者会の状況についての質問あり。
・以前、国の審議会を傍聴した際、審議は数字の上での審査ばかりで、数字に表れない「質」に関する議論がなかった。今回その点はどうか?
最後に(委員としての感想)
検討会での審議は相対評価で表された数字で議論される。「質」を評価するのは大変難しい。そこで力を発揮するのが患者会ではないかと考える。
患者・家族にとっては相対評価もひとつの基準であることは間違いないが、絶対評価が「病気」の気の部分に大事な役割を果たす。
大阪警察病院が前回の審議内容から今回はどのような努力をし、その成果がどうでたのか!期待する。
以上