平成25年度第1回患者支援検討部会報告

(開催日) 平成25年8月30日 (報告者)中村弘子(水琴窟の会)

 大阪がん循環器病予防検診センターにて、830日に平成25年度大阪府がん対策推進委員会第1回患者支援検討部会が開催されました。

 まずは、府のがん対策グループの瀬戸山課長補佐より第二期大阪府がん対策推進計画の取組について、以下の説明がありました。

 基本方針は「がん患者を含めた府民の視点に立ったがん対策の実施」で、がん対策の取組により、「がんによる死亡の減少」、「すべてのがん患者及びその家族の苦痛の軽減、並びに療養生活の質の維持向上」をめざします。がん対策の新たな試みとして、「がん対策の現状や方向性について継続的に意見交換を実施し、がん以外の患者へも配慮しつつ、がん患者・経験者の就労をはじめとする社会的な問題に関する課題を把握し、関係部局と連携しながら取組方策について検討する等、がんになっても安心して暮らせる社会の構築に向けて取り組みます。また、大阪府がん対策基金を設置し、がんの予防及び早期発見の推進などの事業を実施します。

 すばらしい方針・取組・目標に非常に関心しましたが、具体的にどうするのかは説明がありませんでした。

 府からは連絡会で意見を出し合って部会で発言してほしいとの要望がありましたので、数名の方から寄せられた意見を発表しました。時間がなくて20数団体の合意は得られているとは言えませんが、とりあえずお伝えしました。

 ①がん基金を設けて検診キャラバンを行うと府が言っていたのが、いつのまにか 

  3項目に該当する事業に半額助成するとのこと。半額を自払いできるお金持ちの

  患者会しか応募できない。お金のない患者会には手の届か居ないがん基金です。

  これでいいのでしょうか。

 ②府内で活動するがん患者関係団体の存在を 広く府民に知らせてほしい。

 ③がん診療拠点病院や地域で、患者同志が話し合える場所=患者サロン の提供。

 ④ピアサポーターの養成。

 ⑤就職支援・就労支援のお願い。

 

 24年度の患者支援検討部会の議事録が部会の前日29日の2355分に府から送信されてきました。A421頁分を30日に確認をしていき、「検討していきます。」や「対応します。」「実現をめざしていきます。」のところ7箇所チェックして現在どうなっているのか聞きたかったのですが・・・。そのような質問は議事の中にはありませんでした。

 

 患者委員の意見として次の点を要望・質問しました。

 ①冊子「地域の療養情報」に拠点病院の患者会・患者サロンを掲載して欲しい。

 ②がん教育について。

 ③子宮頸がんワクチン接種を厚労省は推奨停止したが、府はどうするのか?

  → 回答は得られませんでした。

 

 資料の中に「検討します。」「努めます。」「対処します。」と文末に記されていますが、実際 前何度5年間で対応されたこと、一歩踏み出されたことはなんですか?緩和ケア部会の臨床心理士を各拠点病院に置くことが、患者委員の要望で実現したと聞いていますが、それ以外に何があったのでしょうか。府の青色の冊子「第二期 大阪府がん対策推進計画」の90頁から取組状況・今後の課題が記載されていますが具体的なものはありません。

 がん対策推進委員会・各部会を傍聴していて、いつも感じることは、りっぱな資料にりっぱな先生方のご意見。それが患者・家族に還元されない、役に立っていないということです。本当に患者を支援しようと考えてくださるのなら・・・。患者・家族に寄り添ったサポートをお願いしたいです。

 前後しますが、議事の(2)相談機能の充実についてはアンケート調査を実施する。という運びです。

 最後に堀がん対策推進委員会会長が、他の委員会・部会と違って、患者支援検討部会では独自で取り組める活動もあるのではとおっしゃっていただきました。