問題点の整理
1)拠点病院は多過ぎないか。
・大阪府では国指定の地域がん診療拠点病院が8つの2次医療圏で合わせて13、都道府県がん診療拠点病院が1.他に大阪府が指定する大阪府がん診療拠点病院は46あります。
各拠点病院はそれぞれがん診療拠点病院指定要件に基づいて選定され、大阪府に現在ある拠点病院合わせて60は一応その要件を満たしたとして認定を受けています。しかし数字の上では要件を満たしていても現実には拠点病院間に格差が存在します。更に国の方からも大阪は拠点病院が多過ぎるとのクレームが出たこともあります。
・何故拠点を取りたがるのか
イ・ブランド力
ロ・助成金or加算
ハ・仲良し小好
自己申告により拠点申請の結果、指定要件を満たしたとしても数字だけでは中身が測れない。数字だけでは質の担保が測れないため、中身が伴わない拠点病院が誕生する。実力が伴わない結果指定された後の努力につながらない。格差も生まれる。
がんに特化した病院がないよりはましなのかは疑問である。無理して指定を受けた結果、取り消された時、助成or加算を失えば経営の危機に直面することもありうるのでは。折角地域の中核として住民の為に頑張ってきて、閉鎖になれば周辺住民も困ることになる。安易な申請が命取りになる可能性も念頭に置くべきである。
2)新たながん診療提供体制
・2013年5月にがん診療提供体制の在り方に関するワーキンググループ(W
G)が設置され、新たな指定要件がまとめられた。
「課題と対応策」
①拠点病院間の格差の存在
→人材配置要件、診療実績要件等の強化、相談支援体制の充実によるさらなる質の
向上及び一定の集約化
②拠点病院未設置の空白の2次医療圏の存在
→緩和ケア、相談支援及び地域連携等の基本的がん診療を確保した「地域がん診
療病院(仮称)」の新設
③特定がん種に特化した診療を行う病院の存在→特定のがん種に対し高い診療実績
を持ち、都道府県内で役割を果たす「特定領域がん診療病院(仮称)」の新設
④がん診療提供体制に関するPDCA(Plan,Do,Check,Act)体制
の構築→国立がんセンター、都道府県拠点病院による各拠点病院への実地調査等
→各拠点病院での院内のPDCAサイクルの確保(患者QOl把握・評価等によ
る組織的改善と実施状況の報告・広報体制の整備等)
文言どうりであるなら期待の持てる提供体制です。
3)大阪府の指定要件
・2013年4月1日に改正案が出されています。
病院規模が国指定より小さいですが、国指定に準ずると思われます。
まとめ
今までに指定を受けた所は順次更新していくと思われますが、新しい要件が出されたことでチェック機能が働くと思われます。患者会としてもチェックを怠らないよう情報交換を密にしていきたいと思います。各部会の方々頑張ってください。
静岡がんセンターでの合同班会議に参加してきました。会議で山口総長・若尾文彦氏(がん情報センターセンター長)から新しい拠点病院の指定に関してお話しがありました。
・空白の医療圏で地域がん医療病院を決めますが、地域格差は益々拡大しており、
そこそこであれば認められる可能性は大である。
・現在決まっている拠点の見直しが1年後にくる。来年10月迄が期限。既に厚
労省の中にブラックリストもできている。
・指定された病院に格差が0は望ましいが、そうはいっても難しい。出来なくて
も出来るだけ地域も支え、育てて欲しい。
・広報活動 拠点自身で広報する。病院独自の名前と相談支援センターを看板に
あげる。
オレンジ色のお花のマークがsymbol.缶バッジも作る。
・がん情報サービスコールセンター
0570-02-3410
がん患者の就労も事業化されるそうです。地域メンタルセンター等いくつか整備されているようです。
次の10年間如何に患者会を標準化していくかも課題。患者が病院を育てて欲しい。と結ばれました。
提案
新しい指定要件も出されて少しづつ拠点の在り方も変わっていくと思われますが、トップダウンに終わらないよう、医療現場の本当の情報が吸い上げられるよう、連絡協議会で訪問グループを編成する、院内患者会の参加を増やす(内部情報が得られる)等対策を講じる必要があるのでは?と考えます。