新指針によるがん診療連携拠点病院における緩和ケアの要件について
池永昌之委員から説明されました。これは今年1月16日、国の通知であり、がん対策推進基本計画(第二期)~患者とその家族が納得した治療を受けられる環境の整備とチーム医療の体制整備~に基づいて、特に緩和ケアの領域の指定要件を、病院に具体的に体制化を求めるものとなっています。がん医療の過程に緩和ケア医・チームの参加が望ましいとなってきました。
私は、がん診断時に緩和ケアのインフォームドコンセントを書面でする「入院治療計画書」に挿入を提案してい、「いいアイデアだね」と個別に言っていただいたのも力にして発言しました。
事務方からは、医療法にかかるから(追加は)難しい旨の説明がありましたが、入院治療計画書は、すべての入院患者にインフォームドコンセントの材料として診療報酬加算され、料金をとっているはず。18年前より、項目が増えています。府でむりなら、国にあげて議論してほしいとお願いしました。また、患者中心の医療にするために、インフォームドコンセントの歴史を調べていましたので、参考にしてもらうことにしました。
また、事前情報として、「がん診療に携わる全ての診療従事者により緩和ケアが提供される体制を整備すること」の通知文の中で、以下の文章があります。「緩和ケアの」提供がなされる旨を、院内の見やすい場所での掲示や、入院時の資料配布等によりがん患者および・家族に対しわかりやすく情報提供を行うこと」とあります。これの具体化でかなりの前進になるであろうとの思いから発言をきり上げました。
第2期大阪府がん対策推進計画取り組み内容の検証、評価について
ここで話題になったのは、医師の緩和ケアチーム研修会の回数、受講者数の伸び悩みです。しかし、緩和ケア医が全国で160人程度の中、大阪の取り組み実績は、全国トップとの報告でした。
新基準では、研修医は2年目までと、さらに5年までにもう1回と2回の研修が義務付けられるとなると、相当な人数となりキャパスティーを越えるのではないかとの危惧する発言もありました。
私は、(経験年数を重ねた医師の緩和ケアの実践を求めるため)病院単位での修了者がわかるようにしてほしいと発言すると、インターネットでは、本人の同意の下、情報開示しているとのことでしたが、PCを見ない患者も多い。ぜひ、拠点病院で情報公開して、各医師が率先して研修を受け即実践していただきたいと発言しました。
その他
感想
今回の新指針によるがん診療連携拠点病院における緩和ケアの要件は、病院にとっては、かなりハードルが高いものになっています。24年度の14施設の集計をみても、体制化できていないと思われるところと、体面は保っているが、人材不足で、個人の力量まかせではと考えさせられるところが多々ありました。 府指定を見るのが、これからになりましたが、現状の国との比較の視点で見たいと思います。
いずれにしても、医師をはじめ、専門職の流動化・定着率低下は変わらないにしても、新しい医師の緩和ケア研修の義務化によって、向こう5年で、緩和ケアの実践は高まると思います。看護師の研修も種々取り組まれてきました。
そこで、多くの府民、患者・家族が思う従来の「緩和ケア=末期がん」の思い込みの転換が求められてきます。どうしたら患者会レベルで啓発、普及できるでしょうか?
まず、今苦しんでいるがん患者さんに私は言いたい「つらいこと心配ごとは悩まないで早い時期に医療者に相談してください。」